前回に引き続き、睡眠について。
『書籍・SLEEP/第9章』から【夜の生活を充実させる】を紹介します。
第9章は、他章をはるかに超える刺激的な内容となっています。したがって、以下の内容につきましては、自己責任で一読いただければ幸いです。
睡眠改善に夜の営み
Photo by Toa Heftiba on Unsplash
前回に引き続き、書籍SLEEPから第9章では、夜の生活の充実度に触れています。第8章と比較すると、寝室ありきの内容となっており、第8, 9章は併せてお考えください。第8章をまだお読みになっていない方は下記リンクをご参照ください。
「夜の生活を充実させる」という言葉だけ聞いても理解できません。そもそも何をすれば睡眠の質をあげることができるか。もったいぶらずその方法を申し上げます。
結論は、オーガズムに達するというのが本書の見解です。
なぜなら、男性も女性も身体がオーガズム状態のとき、以下のホルモン分泌が起きるからです。オキシトシン・セロトニン・ノルエピネフリン・バソプレシン・プロラクチンといったホルモンです。それぞれのホルモンがどのような効果が期待できるのか説明します。
オキシトシン
心を鎮める効果があるオキシトシン。ストレスを軽減するだけでなく、特定の集団に「参加」していると感じるときや、ハグやキスなどの「接触」行為によって分泌されます。また、学術誌『レギュラトリー・ペプチド』では次のように述べます。
パートナーとの良好な関係性が続いていくと、オキシトシン効果が絶えず期待できるので、言葉やスキンシップを通してお互いの時間を過ごせると素敵ですね。
セロトニン
セロトニンが睡眠に必要な物質であることは既に説明しました。抗ストレス神経伝達物質として強力な役割を果たし、セックスによっても分泌されます。セックスだけではなく、自分を労うことや相手との関係性や絆の感じ方、身体が体験すること全体を通じて分泌されます。学術誌『プログレス・イン・ニューロバイオロジー』では次のように述べています。
寝て起きる正常なサイクルを確立して維持するためにはセロトニンが不可欠だと実証する研究が載っていた。
ノルエピネフリン
ノルアドレナリンとも呼ばれ、この物質は睡眠のリズムを調整する。私たちは睡眠中、レム睡眠とノンレム睡眠の睡眠サイクルがある。ノルエピネフリンの分泌はレム睡眠時に起こる。正常な睡眠サイクルの働きには欠かせない物質となる。
バソプレシン
睡眠阻害ホルモンを減らす物質。
精神薬理学を中心とした学術師『ジャーナル・オブ・クリニカル・サイコロファーマコロジー』によると、バソプレシンは睡眠の質を高め、睡眠の妨げとなるコルチゾールレベルを下げる役割を果たすという。
性的動機、ストレス反応、人前でのふるまいなどで重要な役割を担うホルモン。睡眠の質以外で貢献できるホルモンを分泌させるセックスは心身の良薬ではないか。
プロラクチン
眠りを促すホルモン。仲良く過ごしたあとの夜の時間は、身も心も落ち着いており、うとうと眠くなる。パートナーとの夜の過ごし方が眠りを左右することをお忘れなく!
睡眠を改善すれば絶倫王者
Photo by We-Vibe WOW Tech on Unsplash
セックスが快眠ホルモンの分泌を促し、睡眠の改善に役立つことをお伝えした。また、睡眠の改善自体がセックスのためにもなる。
『ジャーナル・オブ・セクシャル・メディスン』誌によると、睡眠を適切にとっている女性のほうが性的欲求が強く、行為中の興奮の度合いも強いという。また、ぐっすり眠った翌日は、性行為に及ぶ確率が14%高いことも明らかになった。
慢性的に睡眠不足になると性欲減退や性機能が低下します。しかし、睡眠さえ適切に取っていれば何歳になっても絶倫王者でいれるのではないでしょうか。快適な睡眠が良いセックスに繋がり、良いセックスが快適な睡眠をつくるということです。両者は相関関係にあることを本書では説明しています。毎日オーガズムを経験するだけで快眠ホルモンが分泌されるなら使わない手はないでしょう。
「そもそも出会いがない」「素敵な人がいない」など恋人がいない方は、身近にいる人を慈悲の気持ちで思ったり、すれ違う人を最愛の人だと思ってみることから始めると良いのかもしれません。
睡眠改善へ向けて
Photo by Becca Tapert on Unsplash
パートナー編
恋人がいるなら言葉を通してコミュニケーションを図りましょう。自分と相手は他人である以上、好みや理解度は変わります。一緒にいて良好な関係性なら毎日の睡眠もいいものとなります。
食事編
必要な栄養素を摂取すれば生殖系にもプラスに働きます。睡眠改善に必要な栄養素を含む食材を紹介した記事を参照ください。気温が下がり喉が渇きづらくなっていますが水分補給もお忘れなく。
inuwanhime.hatenablog.comセックスを運動思考に
本書で刺激的な内容もここまでです。セックスには睡眠の無限の可能性が秘めていることが理解できました。身体を突き合わして動かす行為なのだから、セックスは運動と言える。主導権を自らが握り、活力みなぎる身体全身を使って全力を消費すれば今までに味わったことのない睡眠が得られる可能性はある。運動は全身の筋肉や頭脳でパフォーマンスを最大化する。真夜中にダンベルを持ち上げることは非常にナンセンスです。場所をベッドに変更し、恋人を持ち上げるか寝かせるか選択し、自分が動こう!
最後に
科学が証明したセックスの本質は睡眠改善によるものでした。些細な接触でもホルモン分泌があるならば、握手するたびにオキシトシンが溢れ、心が安定していることになります。でも、コロナで握手すらできなくなり寂しい日々が続いています。接触が減った中でも気持ちだけは寄り添って心を繋ぎとめることは可能です。思いやる気持ちや好きという感情、集団への帰属意識があるだけでストレスに強くなれます。強くなくても意識しなくても誰かを思うだけでホルモン分泌がなされる機能を私たちは備えています。本稿が皆さんの生活にゆとりをもたらすものになっていれば幸いです。
恋人がいるいないに関係なく夜の充実度をあげる方法は他にもあります。慈悲の瞑想や今日あった幸せなことを3つメモするなど睡眠の質ではなく、幸福度をあげる方向性に舵を切ることができます。また、夫婦間のセックスが破綻しても他者貢献という思考法で、自らを強化させるホルモンを分泌させましょう。もし、人間との接触が容易ではないならペットと戯れることが良薬です。動物に注いだ愛情がおうむ返しのように返ってこないわけがない。