体温スイッチで睡眠の質をあげる

「昨夜はよく眠れましたか?」

睡眠本2冊目「スタンフォード式 最高の睡眠法」をもとに睡眠の質を高める方法です。

本日は、睡眠の質を高める「3つの体温スイッチ」について。

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就寝90分前の入浴

人間は恒温動物で哺乳類です。常に一定の体温で生活しています。活動時は体温が高く、睡眠時は体温が低い状態にあります。人間の体温には、深部体温皮膚体温の二つがあります。活動時は深部体温が高くなり、睡眠時は低くなります。一方で、皮膚体温はその逆になります。

心地良い眠りには深部体温が低い状態になることがベストになります。就寝時刻から遡って90分前が入浴の最適な時間になる理由は以下で説明します。

湯船に浸かることで深部体温と皮膚体温が上昇します。そして入浴後は手足の毛細血管から熱放散し効率的に深部体温を下降させ眠りを誘います。深部体温が次第に下がっていき、もとの体温へ戻るのに90分を要するということです。

つまり、入浴で一度体温を上げて下げるという行為がより一層眠りを誘うわけです。

一方で「今すぐ寝たい場合」は入浴ではなく別の方法です。それは、シャワーかぬるめのお湯に入浴することがオススメ。普段の入浴条件だと体温が上がって入浴後すぐの睡眠は成立しません。そこから体温を下げないと眠れないからです。

足湯で熱放散を活発に

2つ目は、足湯です。城崎温泉など温泉街には足湯があります。靴下を脱いで生足を足首まで深くお湯に浸からせて寛ぐ憩いの空間です。睡眠の質には足湯よりも温浴の方が効果がありそうですが、どうしてもお風呂を避けたい日もあると思います。そんな時は大きめの桶にお湯をためて足湯に切り替えましょう。手足は熱放散の主導役である毛細血管が発達しています。その血流を良くすることで熱放散を活発にさせるのです。入浴は深部体温と皮膚体温ですが、足湯は皮膚体温を上げ熱放散を促すことができます。

室温コンディショニング

最後は、眠る環境の室温です。暑くなく寒くない適温が大事になってきます。適温は個人差があり「この温度が正解」とは断言できません。服装や寝具で快適な温度を調整し、睡眠環境をつくることが鍵になります。冬場、底冷えがして靴下を履いて寝る人もいると思いますが、これは睡眠の質には悪影響です。先ほども言及したように手足は熱放散の役割を果たします。夜間、手足が温かいのは体温を下げて眠りへ移行する状態をもたらしているからです。そこへ靴下があると熱放散がうまく機能せず体から熱が逃げなくなってしまいます。これでは睡眠の質を下げるので、前述の足湯や温浴で体質改善を行うことが先決です。また、室温が高すぎると体温調節による発汗で過剰な熱放散が起き体温を下げてしまうこともあります。

そのため発汗しない眠りに導いて脳を休めることが大事になります。脳もまた冷やすことが睡眠の質を上げる方法になるので、そば殻の枕は重宝されます。通気性が良く頭を冷やしてくれます。

頭がさえている状態は脳への血流量が増加している証拠になり脳の温度も高まっている状態です。

最後に

個人差が激しい睡眠へのアプローチですが、やはり入浴効果は睡眠に欠かせないようです。一度体温を上げて時間をかけて下げることが睡眠の質を上げることに繋がります。就寝時刻から計算した入浴時間に全身浴で深部から体を温めて90分の熱放散時間に読書や瞑想を行い、副交感神経を優位にさせることが現代の夜ルーティンではないでしょうか。

入眠前から睡眠の質が決まる行動が隠されており睡眠価値は今後も見直されていくでしょう。