アレの時間を見直して睡眠の質をあげる

前回に引き続き【書籍・SLEEP】から『第3章/電子機器を見直す』に触れて睡眠の質を改善する方法をシェアします。

私たちの入眠前の生活態度に関して警告を放つ内容になっており現代病を一刻も早く解決するためにも本章は大切です。

電子機器が睡眠を阻害する理由

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PC, タブレット, スマホ, テレビなどの画面が総じて発するブルーライトに問題があります。その問題とは眠る準備が整った夜の身体に水を差す形で邪魔が入るのです。その正体がコルチゾールスマホの画面を見ることでコルチゾールの生成が促されます。研究でも睡眠に影響を与えることがわかっています。

ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究から、寝る前にブルーライトを発する電子機器を数時間使うと、体調や注意力をはじめ、毎日の睡眠のリズムに反映される体内時計にマイナスの影響を与えかねないことが明らかにされた。夜にiPadで読書をした被験者は、紙の書籍を読んだ被験者に比べて寝つくまで時間がかかり、眠気もあまり感じず、レム睡眠の時間も短かった。また、メラトニンの分泌も少なかった。

また、スマホの画面がメラトニン分泌を抑制することが実証されています。

ニューヨーク州トロイにあるレンセラー工科大学ライティング・リサーチ・センターのマリアナ・フィゲイロ博士のチームは、寝る前にコンピュータの画面に2時間向かうだけで、夜間に分泌されるメラトニンの量が著しく抑制されることを実証した。

メラトニンについては前回の記事を参考に。

【自然編】日中の太陽光を利用して睡眠の質をあげる - 喧騒不達な独り言

このように入眠前に電子機器の使用が習慣化すると体内リズムが慢性的に狂う恐れがあり、深刻な病を抱える可能性が秘めています。テクノロジーの進化が人間の生活を豊かにしてきました。一方で、どこか慢性的な披露や怠さ、感情の不安定さ等、気がかりな問題に直面してはいませんか?深い時間帯の電子機器操作に心当たりがあれば、見直すことが最善です。正しい使い方を怠ると脅威が身体を蝕んでいくことを本書Chapter3では説明しています。

スマホ依存症の認識

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著者がアメリカ最大手銀行の1つで行ったワークショップの内容を要約すると、社員のパフォーマンスを向上させる目的で行われた。達成には、賢く眠ることが大きく関係すると結論づけた。著者が、夜に電子機器の光を大量に浴びることの弊害の話を振ると参加者は皆、その話がいかに大事なことかを理解した。ところが、寝る前に電子機器を使わずにできることは何かとの質問に対し、優秀な社員は口を閉ざし、辺りをキョロキョロとしたのだ。つまり、夜に電子機器を使う以外にできることを忘れていることを意味する。それだけ夢中になれる手軽な機器であることは認めるが、他にも夜できることはたくさんある。今一度、夜を楽しく過ごす方法を見つけてほしい。パートナーとの会話、紙で読書、ストレッチなど睡眠の質をあげる行動がいくつもある。

入眠前のドーパミンを断つ

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人間の身体は、そもそも絶えず何かを探求するようにできている。ならば電子機器を手放さず触り続けることも無理はない。私たちの体内では、ドーパミンと呼ばれる物質が生成される。獲物を探す、先がどうなるのかを知る、といったことをするだけでドーパミンは分泌される。そして探求の結果、待っていた情報や手がかりが手中に収められると快楽物質のオピオイドが体内で分泌される。つまり、抜けられない沼にハマっている状態が継続しているのがスマホ操作なのだ。気づけばスマホ操作に30分以上要していたこともあるはずだ。追求を遮断しない限りオピオイドが離れることはない。

ドーパミンは眠りを妨げる

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探求中に体内で開花するドーパミンという物質そのものが、注意力を高め、意識を覚醒させることに関係している。

スタンフォード大学が発表した調査によると、マウスの脳内からドーパミン輸送体を排除したら(それによってドーパミンが長く神経系にとどまることになる)、寝る時間が格段に短くなったという。

質の良い睡眠の獲得には入眠前のドーパミン放出を避け、メラトニンに活躍の場を譲ることが先決だと言える。

睡眠の質をあげる意思決定を

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「就寝90分前」にはブルーライトを遮断しよう。心から深い睡眠を獲得するには就寝時間を逆算して一切の電子機器の電源をオフにする。上質な睡眠には意思決定が必要な時代に突入した。メッセージ通知やいいね通知など注意散漫に陥るケースが増えている。夜〇〇時以降は通知をオフに設定するなど工夫して対策を取ろう。

スマホの代わりになる楽しいことを探すことだってできる。紙に、スマホ操作以外に楽しくなる項目をリストアップして順番に始めてみる。最初はワクワクできなくてもトライアンドエラーだと考えて次の項目へ移る。決してスマホへは手を伸ばしてはならない。長期禁煙者でいうところの別れを告げたのに「これが最後の一本」と言って、また吸ってしまう「一本おばけ」の再来だ。たとえ通知が気になっても我慢して無視しよう。

どうしても電子機器を避けられない場合

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電子機器の使用が避けられない場合は、時間帯に応じて画面の色合いを調節する。また、ブルーライトをカットするメガネなんかも利用するのもいい。電子機器の画面と合わせ室内灯を暖色系に変更するのも入眠前には最適だ。

最後に

第3章に【電子機器の使い方を見直す】という見出しが本書の序盤で登場する意図は察しがつく。著者は、世界中の多くの人がベッドに入ってもなお電子機器を使用している現実に警告を発している。本書の序盤でその内容が示される所以を考えると、5Gが人々に善悪通じてどのような結果をもたらすのか気になって仕方がない。10年周期で一世代ごと進歩していく技術だが、ブルーライトが人々の睡眠を蝕む脅威のままなのか、それとも好材の位置づけへと科学の発展が見込まれるのか、どんな変化がこの十年の歳月で現れるのか期待が膨らんでいる。

睡眠記事

inuwanhime.hatenablog.com

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参考書籍