本書の裏のあらすじをご紹介すると、
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。
感想
序章から終章まで400ページに迫る本書は、物理的に考えて気の遠くなる分厚い文庫のように映るが結論を申し上げると、自然と物語に溶け込め、先の展開が気になる性分や好奇心旺盛な性格的素養がある人であればどうってことない。
読み終えて手元の複数のぺら紙に視線を移すと私の手には追えない未知の単語やキーポイントとなる単語など、記憶の断片に収納しておく必要性が高いものが多岐に散りばめられており「メモを取りながら13階段の世界に入り込んでいったんだ」と再確認できた。
登場人物が示す言動は筆者が用いる言葉の選択で右にも左にも読者の予測の針が触れる。
本書の脚本は、独房に収監されている死刑確定囚の無罪証明を目的に刑務官の南郷と前科を背負った青年の三上が二人三脚で調査を開始するのが中心だ。
物語の世界に入り込んで脳内に映像を当てていくことをしていくのが私の性分で、13階段に限らず小説を読むときは、淡々と読まず、理解できない一文があれば戻って再読する癖があり、脳内に自身が思い描く映像が出てきて「脳内視覚化」がクリアにならなければ読み進められない。
それはある人にすれば神経質な読書と表現されそうだが、実は一読で理解が追いつかないただの無能さを露出してしまっている面は否めない。例えると、子供が「ちょっと、部屋に散らばせないで」と親に言われた時のポカン顔かな。つまり、遠回しにいうのではなくて「片付けて」と直接的な意味がなければ理解が追いつかない感じ。
そんな読者が読んだ13階段ですが、印象深いのが「改悛」という単語。
複数回その単語が目に飛び込んでき、目で声で何度も読んだ記憶が強く、しかも前科持ちの三上が主観になるシーンで頻度が高かったのではないか。
三上が真犯人の発見につながる証拠収拾の重要なシーンで高野和明氏の文章を私はミスリードしたりと著者に手のひらで踊らされた感があってまだまだ小説は初心者だなと感じた。
天然なのかバカなのか真相は予測の裏にあって小説を読み終えたときの第一感が「裏切られた」みたいな欲求不満でモワッとする。
最終的には「あーなるほど」と筆者が言わんとする方向性へ着地はできたつもりだが総括を読者同士で示し合わせると不整合かもしれない。
次読むのは「スマホ脳」
スマホ中毒から脱却したい旨、お伝えしておきます。
やめたい行為をここに掲げると「電車内」「受け身」「何かあれば」
この言葉の後ろに続く単語は「操作」なので省略した。
がっつり触るときもあれば暇つぶし的に触ってしまうことがある。
意味ない操作を今すぐやめたいし、2番目に掲げた「受け身」は最大の課題。
双方向とかこっちが発信者となる単一方向ならOKだが、受信者となって真顔で電波を受信するだけはやめたい。
ってことでスマホ脳を読んでデジタル時間にメスを入れます。
それでは