車でかける音楽は決まってほぼAviciiばかり。
Bluetooth機能内臓だからiPhoneを接続して再生すると車内は彼の音楽で彩られる。
自分だけの世界に没入するが、ボリュームはそこまであげないのがこだわり。
小規模な空間で大規模な音源に浸る瞬間は「楽しい」感情をより一層強くし緊張が綻ぶ。
この興奮度合いが頂点に達しながら歌い上げる洋楽、私の心は既に踊り出しておりそれが車の動きに憑依していないかと心配になる。
不意にAviciiが祖母に変わった。
我に返った、着信だ。
そうだBluetoothなんだ。
「もしもし〜、あーおばあちゃん、今向かってるから」
高齢者人類は待てないのだ。
予定到着時刻の数分遅刻すら許されない。
車内で音楽機器とオーディオを接続しAviciiの世界観に浸りたい欲望と孫にもうすぐ会えるという欲望に待ったは「かけられなかった」。